公開: 2019年7月24日
更新: 2019年7月25日
法律では、その法律の力が届く範囲の中で、人と人、人と組織、組織と組織などの間に生じる問題をどう解決するのかの原則を決めます。しかし、自然を対象とする自然科学とは違って、人間や人間の集団である組織の活動を対象としている法律では、個々の法律が、どのような場合に、どこまで適用可能であるのかを厳密に決めることはできません。このことから、ある人や組織が行った行為や活動が、ある法律を侵害しているのかどうかの判断は、簡単にできるとは限りません。このため、ある法律に従った行為であるかどうかの判断は、その判断を行う人間の考え方によって変わってしまう可能性もあります。法律は、自然科学の法則が絶対的であるのに対して、絶対的ではないという特徴があります。例えば、道路のこの場所に、一定時間以上自動車を止めることを法律で禁止している場合、「なぜこの場所に車を止めてはならないのか」や「決められた時間から1秒でも経過したら法律違反とするのか」など、問題が発生した現場でどのような状況が発生していたかを調べなければ、判断できない例は数多くあります。